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時事ネタ~森友裁判における国の請求の『認諾(ニンダク)』って何?!~

皆さん、こんにちは。

 

さて、今回は去年の年末頃に話題にのぼった、

上記表題についてお話していきたいと思います

 

 

 

 

1 訴訟上の『認諾(ニンダク)』とは

 

 

訴訟上の認諾とは

「請求に理由があることを無条件に認める旨の、

 被告の裁判所に対する意思表示」

と定義されています。

 

 

つまり、今回の事件のケースでは、

「被害者の妻の国に対する

 約1億円の損害賠償請求に理由があることを、

 被告である国が無条件に認めますと

 裁判所に対して申し出た」

ということになります。

 

 

訴訟で被告が認諾すると訴訟はそこで終了ということになり、

判決が確定し、これ以上蒸し返しが出来ないということになります。

 

 

 

2 私の知人の司法書士の経験談

 

 

私の知人の司法書士が一度、認諾を経験しています。

 

具体例を挙げると、皆さんもご存じのサラ金に対する過払訴訟です。

 

 

過払訴訟がまだ普及していない平成15年頃、

私の知人はサラ金に対してそれなりに多めの金額を吹っ掛けて、

サラ金に対して過払を請求する訴訟を裁判所に起こしました。

 

 

なぜ、吹っ掛けたのかというと、

証拠(お金を返済した時の領収書等)が揃っていなかったのです。

 

 

なので、とりあえず

依頼者が多めにサラ金に対してお金を返済したということにして

過払金額を算出し、まずは訴訟を起こし、

サラ金にまずは戦いの土俵にのぼってもらうのです。

 

 

そして、訴訟を通じて、

訴訟上のテクニックである「文書提出命令」を使って

正確な過払金額をあぶり出して行き、

真実で正確な過払金の金額を確定していくのです。

 

 

 

3 文書提出命令とは?!

 

 

文書提出命令とは、

真実発見のために、

訴訟で証拠となる文書を持っている人が、

法律上、その文書を提出する義務がある場合には、

裁判所が文書を持っている人に対して

「その証拠となる文書を出せ」と命令することです。

 

 

仮に、裁判所の命令に従わない時は、

それなりにペナルティを課されることになります。

 

 

 

さて、ここで、私の知人の事例に話を戻します。

 

サラ金には、

日本全国にいるお金を貸した債務者の貸し出しを管理するために、

「依頼者がサラ金に対して、

 いつ何時お金をいくら借りて、

 いつ何時お金を返済したことくらい、

 コンピューター上の帳簿にほぼ100%残っている」わけです。

(ちなみに、このような帳簿を業界用語で「取引履歴」と言います。)

 

 

なので、知人は訴訟で文書提出命令を裁判所に出してもらおうと思い

意気揚々としていました。

 

 

しかし、訴訟の2回目の期日で、

サラ金側の弁護士が「認諾」しますと

訴訟の場で書面とともに裁判所に申し出ました

 

 

 

4 知人の事例で言えること

 

 

文書提出命令が出されて、

サラ金と依頼者とのお金のやり取りである帳簿、

いわゆる「取引履歴」という文書が訴訟の場で明るみに出ることになり、

吹っ掛けた金額よりも高額な過払金が実は発生していたということになります。

 

 

なので、過払を請求する側にとっては、

「もっと吹っ掛けておけばよかった」という事になるわけです。

 

 

一方、サラ金側としては、

文書提出命令で取引履歴が明るみにでると、

正確な過払金の額という「真実が発見」されることになります。

 

つまり、訴訟で訴えられた方が認諾する時は、

十中八九、真実が発見されると非常にマズいという動機があるのです。

 

 

 

5 森友裁判で言えること

 

 

恐らく、森友裁判の原告である被害者の妻は、

国が認諾しないように、

それなりに理由を付けて損害賠償額を釣り上げていたと思います。

 

 

そして、国が支払う損害賠償金の原資は、

もちろん「国民の血税」なので、

普通、一般的にこの手の訴訟では、

国もガチンコで訴訟に臨みます。

 

 

 

しかし、あっさり国側が認諾したということは、

訴訟を通じて国の内部文書が明るみに出て、

真実が発見されると、国にとって、とてもマズい事態になる

ということは、火を見るより明らかなのです。

 

 

最近、元東京都都知事である石原慎太郎氏が

お亡くなりになられましたが、

数年前、氏が「東京都は伏魔殿」と言ったことがありました。

 

 

思うに、東京都が伏魔殿であれば、

「国はもっとそれ以上に壮大な伏魔殿

と言えるのではないでしょうか?

 

 

ただ、その国の代表を選んでいるのは

主権者である国民(つまり、皆さんも小学校の社会で習った

「国民主権(憲法第1条、憲法前文1段)」)であることを、

我々は肝に銘じておかなければなりません。