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最高裁まで争ってやる!?

皆さん、こんにちは

 

 

さて、テレビドラマや実社会において、

ある当事者間において裁判で争っているとき、

裁判で負けた方が「最高裁まで争ってやる」と、

よく意気込んでいる場面があります。

 

 

ドラマで具体的にあげると

「白い巨塔」の財前教授が控訴審で、

患者側に負けた時です。

 

 

実社会では、最近だと

「ジャーナリストの男女間において、ある事

の合意があった、無かった等の控訴審が終わり、

男性ジャーナリストが最高裁に上告する

という出来事がありました。

 

 

こういうのを見ると、我々、法律の専門家は

「どうせ最高裁に相手されないけど・・」と思うのです。

 

 

そこで、本日は日本の民事裁判の枠組みについて、お話します。

 

 

 

1.小学生の社会で習った、日本の裁判の三審制

 

 

三審制をざっくり復習すると、以下のとおりです。

 

 

一審をある地方裁判所に訴え

 

負けた人が二審(控訴審)として、高等裁判所に訴え(控訴)

 

負けた人が、最終的に三審(上告審)として、最高裁判所に訴え(上告) 

 

 

と言うように、

裁判というものは

最高で3回のステージで争うことが出来る裁判制度を

三審制と言います。

 

 

 

2.一審、二審(控訴審)、三審(上告審)の違い

 

 

一審と控訴審を「事実審」、

上告審を「法律審」と言います。

 

 

もうちょっと、簡単に説明すると

一審と控訴審は、「ある事実が本当にあったかどうか?!」

を裁判所が判断します。

 

 

そして、裁判所は、

その存在した事実に法律を解釈適用し、

最適な判決を下すのです。

 

 

つまり、

「ある事実が本当にあったかどうか?!」を判断するのが、

裁判所のメインの作業になるので、

「事実審」と言われるのです。

 

 

 

一方、上告審の「法律審」とは

法律上の不服についてだけの判断をします。

 

 

つまり、三審の上告審では

「事実があったかどうかの判断はしない!」

ということになるのです。

 

 

 

3.冒頭の財前教授の事例において、上告をすると

 

 

さて、冒頭の財前教授においては、

一審、二審において

「財前先生に過失」という「事実」があったかどうかを

裁判所が判断しました。

 

 

そして、「過失があった」という事実があったからこそ、

裁判所は、

財産教授が患者に対して損害を賠償しなければならない

と法律的に判決を下したわけです。

 

 

そして、財前教授が上告をするとどうなるのか?

 

 

 

財前先生の「過失があった事実」が大前提となり、

財前教授が被害者に損害賠償をしなければいけないことは、

法律をどのように解釈しようとも、当然の結論になるわけです。

 

 

なので、財前教授が最高裁に上告しても、

結局は「門前払い」(「上告棄却」と言う。)されるのが

オチなのです。

 

 

 

4.最高裁まで行くとき(「上告が受理される」と言う。)

 

 

なので、最高裁まで行く時は色々なパターンがありますが、

その中でも法律家が、一番興味深いパターンが

「最高裁の判例変更や法令の解釈に関する重要事項」

(民事訴訟法第318条)

で最高裁まで行くパターンです。

 

 

なぜなら、このパターンだと、

二審での判決の内容が高確率で覆るからです。

 

 

 

5.私が聞いた噂と教訓

 

 

平成14年迄、

高利貸しである商工ローン会社(消費者金融とは別)

に対する過払訴訟をしても、

実は商工ローン会社側がほぼ全勝に近い状態でした。

 

 

つまり、貸金業法の解釈に従うと

商工ローン会社には過払が発生しないし、

過払を請求する債務者側が上告しても、

最高裁は門前払いしていたという時代でした。

 

 

 

しかし、平成15年頃、

ある商工ローン会社に対する

過払訴訟の裁判の上告が受理されたのです。

 

 

となると、

貸金業法の解釈が変わるということになり、

最高裁が下す判決は当然、

商工ローン側不利の判決が出る可能性が高い

ということになります。

 

 

つまり、その最高裁の判決以降、

商工ローン会社側は今まで全勝していた過払訴訟が

全敗になるかも知れないということになります。

 

 

 

ここで、穿った考えをすると、

この上告が受理されるという情報は

当時の過払請求側の弁護団は

誰よりも早くキャッチできる立場にあったわけです。

 

 

なので、当時の弁護団は、

上場会社の商工ローン会社の株価が

下落もしくは紙屑になる可能性があると

早い段階でキャッチ出来たわけですから、

株の空売り等で相当儲けた弁護士がいるのではないか

という噂が流れました。

(自信はないですが、これはインサイダー情報にはならないと思います。)

 

 

皆さんも、従事している業界の裁判動向には

注意深く、見守って下さい。