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家族信託における登記手続書類作成の苦労ばなし。最終回

前回の続き

 

 

 

1.プロの司法書士としての責任とは?

 

 

 

今回の事例は簡単に言うと、

「一見すると無効には見えるけど実は真実」

という内容の登記手続です。

 

 

 

さて、

相談を受けるときは、

いろいろな書類を見て判断します。

 

 

 

その時、無効だと判断して

依頼をきっぱりと断るのも

正解の選択肢かも知れません。

 

 

 

つまり、

できないことは出来ないとキッパリと断ることは、

専門家として求められる資質でもあります。

 

 

 

しかし、

もしそれが、実は無効ではなく真実であれば

依頼者を見捨てることになってしまいます。

 

 

 

となると、

専門家としての責務を果たしていないことになります。

 

 

 

2.プロの司法書士は徹底的に考えぬくこと

 

 

 

今回の事例は一見すると無効なのです。

 

 

 

しかし、

当時の依頼者の言動や挙動、表情等を総合的にみると

どうしても脱法・違法をしているような感じが

しなかったのです。

 

 

 

これは、

司法書士だけでなく、

色々な職業を経験してきた

私のカンによるところもあると思います。

 

 

 

ただ、

ここでプロとし色々な考えがよぎります。

 

 

 

「依頼者が本当のことを言っているのか?」

「本当だとしても調査する費用対効果は?」

「調査をしたとして真実の確信を得ることができるのか?」

「仮に見落とした時の専門家としての責任は?」

「依頼を断ったけど実は真実で、その調査不足は誰の責任か?」

等々、あげるときりがありません。

 

 

 

そして、

上記に挙げたことの解決策を、

一つ一つ緻密に徹底的に論理的な思考

していきます。

 

 

 

少し具体的にいうと

「安全性」とその対極にある「危険性」

について徹底的に考えるのです。

 

 

 

3.プロの司法書士は論理で突き詰め、最後は直観

 

 

 

論理で突き詰め、

安全性>危険性

安全性<危険性

という不等式が成り立てば簡単です。

 

 

 

安全性>危険性なら依頼を受け、

安全性<危険性なら依頼を断るのです。

 

 

 

しかし、

今回やいつも悩ましいのが、

安全性=危険性のときです。

 

 

 

この時はどうするのか?

 

 

 

こうなるともはや直観です(笑)。

 

 

 

ただ、

直観を働かせるにも以前お話しした

自然法主義に基づき判断していきます。

 

 

 

つまり、

「倫理観をベースに判断していく」

ということになります。

(以前のブログ参照 自然法主義や倫理観について)

 

 

 

ちなみに、

元電通マンで伝説的なクリエイティブディレクターの

杉山恒太郎さんという方を知っていますか?

 

 

 

実は、

「ピッカピッカの一年生」

「セブンイレブンいい気分」

という誰もが知っている有名なコピーを考えた人です。

 

 

 

このようなアイデアが出るということは、

「この人はスゴイセンスとひらめきと直観力のある人」

と考えてしまいがちです。

 

 

 

しかし、氏は自分の著書で

以下のように言っています。

 

 

 

「テーマをロジカルに追い詰めて、追い詰め抜いた先に、ロジックを超えて生まれてくるのが、本物のアイデア」(杉山恒太郎『クリエイティブマインド』インプレスジャパン)と語っています。

 

 

 

となると、

私の考えもあながち間違いではないような気がします。

 

 

 

4.プロが決心したら後は、依頼者のために必死になるのみ!!

 

 

 

やると決心したら後は突き進むのみです。

 

 

 

ただ、司法書士の定型的な仕事と違って、

メチャメチャしんどいんですよね~。(笑)

 

 

 

何冊もの専門書籍を読み込み、

必死に脳に汗をかいて

自分なりの理由をひねり出さなければなりません。

 

 

 

この脳に汗をかくって、

メチャしんどいですよね~(笑)

 

 

 

正直に言うと、

本当に憂鬱になります(笑)。

(みなさんもこんな経験あるのでは)

 

 

 

しかし、

困難な仕事もやり抜いて

依頼者から感謝の言葉をかけられた時の

「達成感」は最高ですよね~。

(これも皆さん経験ありますよね~)

 

 

 

この時に、私は本当に

「司法書士をやってて良かったな」

と感じます!

 

 

 

さて、読者の皆さんは、ここで

「憂鬱ならそのような依頼を断ればいいのでは?!」

とツッコミたくなると思います。

 

 

 

しかし、私はもしかすると

「憂鬱なことでもこの達成感を味わうため」に

仕事をしているのかも知れません。

 

 

 

つまり、

「憂鬱でも好き(笑)」

ということになります。

(私は少しドⅯなところがありますwww)

 

 

 

そうすると、

「別に大好きなことを仕事にしなくても幸せになれる」

のだと私は思います。

 

 

 

世間にいう、

トップアスリートやスティーブジョブズみたいに

「大好きなことを仕事にしなさい!」

「大好きなことを見つけなさい!」

という月並みの言葉に騙されてはいけません!!

 

 

 

私はやりがいのある仕事とは以下のように思います。

 

 

 

「職種や業種に限らず、

 困難を乗り越え、人の役に立つ」

ということです。

 

 

 

ここで、大事なのは、

「乗り越えられる困難」であり、

「人のためにほんの少しでも役に立つ」

ということです。

 

 

 

つまり、

乗り越えられない困難ではダメですし

小さくて些細なことでも人の役に立てればいい

ということです。

 

 

 

「自分の大好きなことが見つからない・・・。」

「自分の大好きなことを仕事をしていない私はイケてない・・・。」

と思って悩んでいる方!

 

 

 

騙されたと思って、

自分のできることから

人のためにほんの少しでも役に立つことから

頑張ってみましょう!

 

 

 

 

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。