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動産債権譲渡登記、その向こうにあるもの?!

毎度です。

 

 

不動産営業出身 大阪・吹田市の

FP(ファイナンシャルプランナー)兼

司法書士 廣森良平です。

 

 

それでは、本日も

今後ますます伸びてくるであろう

ABL「動産・債権譲渡融資」

についてのお話をします。

 

 

ABLとは、

企業の有している動産(不動産以外の物)や

権利(債権)を担保に

金融機関から資金調達をする方法です。

 

 

ここで、

動産を具体的に言うと、

棚卸資産である

「製品・商品/半製品・仕掛品/原材料、機械設備等」

を挙げる事が出来ます。

 

 

次に、

債権を具体的に言うと

「売掛金」

が代表例となります。

 

 

実は、最近になって、国の方針で

やっとABLの話題が上るようになってきました。

 

 

そこで、

国の方針を時系列に沿って述べると

以下のとおりです。

 

  • 平成23年度 日銀「成長支援貸出制度」を発表。ABLの取り組みを促す。

 

  • 平成25年度 金融庁「ABL(動産・売掛金担保融資)の積極的活用について」を発表。

 

  • 平成26年12月 「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集を発表。

 

 

上記③の

「経営者保証に関するガイドライン」とは

「金融機関が会社に融資をするときは

あまり社長個人を保証人としてはダメですよ!」

という事です。

 

 

つまり、これからは

「不動産担保や社長の個人保証に頼らず、

中小企業には不動産以外の財産(物=動産)が

潤沢に存在するのであるから、

それを担保に融資をしなさい!」

と国が推し進めて行っている事になります。

 

 

ちなみに、

日本の中小企業のバランスシートを見ると

(平成23年度財務省法人企業統計)

不動産が104兆円であるのに対し、

売掛債権は67兆円、

棚卸資産は43兆円で合計110兆円となり、

不動産の額をゆうに上まっている事になります。

 

 

よって、

国の思惑としては

中小企業金融の円滑化を図るだめには

これらの資産を担保として

活用する事が望ましいという事なのでしょう。

 

 

しかし、

国の方針としては確かに素晴らしいのですが

今までに融資業務をそばで見てきた私には

少し疑問が残ります。

 

 

それは、

「ただ単に担保が不動産から

動産や債権にすり替わっているだけ」

という点です。

 

 

確かに、

担保の選択肢が増えて

融資が伸びるというのは

歓迎されるべき事です。

 

 

しかしながら、

融資の基本的なスタンスは

企業の不動産担保余力や計算書類上の数字ではなく

「企業の実態把握」だと

私は思います。

 

 

つまり、

本来の融資業務とは、

融資実行を決定するに当たり

会社の計算書類上には表れない

「社長の人望や能力、企業の事業計画性等」

を見定める事です。

 

 

よって、

これからの金融機関は

融資業務の原点に立ち返る事を

国及び経済界全体から

切に望まれていると思います。

 

 

次回も、

ABLについてお話して行きたいと思います。 

 

 

以上
不動産法務・不動産実務・不動産登記に特化した

不動産業界出身司法書士兼

ファイナンシャルプランナー(FP)の廣森でした。

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。