ブログ
カテゴリー
相続・遺言
【大損しているかも?!】大手信託銀行の遺言信託について
世間では、相続で揉めないために、
遺言書の書き方については
よく雑誌等で取り上げられていますが、
遺言の内容を実現する段階
(つまり、遺言者の死亡時以降)については、
あまり雑誌等で取り上げられることはありません。
本日は、遺言の内容を実現する段階、
つまり遺言者が死亡した後についてお話をしていきます。
ちなみに、遺言の内容を実現する事を
「遺言執行(ユイゴンシッコウ)」と言い、
遺言執行をする人を「遺言執行者」といいます。
1 大手信託銀行の遺言信託サービス
大手信託銀行の遺言信託業務を利用すると、
きちんとした遺言書作成の支援を受けることが出来るので、
争族を回避する事が出来ます。
そして、当該遺言信託サービスには、
信託銀行が遺言執行業務を担当することが
ほとんどワンセットになっています。
ただ、大手信託銀行に遺言執行を依頼すると、
以下のとおりの注意点があります。
- 状況によって
- 信託銀行が遺言執行者の就任を断るケースがある。
信託銀行が遺言執行者に就任する場合において、
事前に相続人全員から同意を貰うことがあります。
その同意とは
「信託銀行が遺言執行者になること」
についてです。
このケースだと相続人同士が円満であれば、
全員から同意を取り付ける事は
比較的簡単に出来ると思われます。
しかしながら、
相続人同士が仲違いしているときは、
全員の同意がもらえない事は
容易に想像が出来ると思います。
つまり、信託銀行はいざという時には
遺言者やその相続人の要望に
応えてくれない事があるという事です。
2 高額な遺言執行報酬を請求される
一般的に大手信託銀行の遺言書作成、
遺言執行報酬は軒並み高額に設定されています。
ある大手信託銀行のHPを見ると、
明らかに高額な手数料が設定されております。
例えば、
①申込み時に基本手数料が金33万円又は88万円
②遺言保管料が年間6,600円又は無料
③遺言書変更手数料として55,000円
④遺言執行時最低執行報酬110万円又は33万円
となっております。
恐らく、
①の申込み時と④の遺言執行時の報酬が2種類あり、
その差が出ているのは、
始め(申込み時)に多くを払って、後(執行時)で少なく払うか、
または、
始め(申込み時)に少なく払って、後(執行時)で多く払うか
だけの差であると思われます。
また、上記報酬の他に
相続を原因とする不動産相続登記手続の司法書士報酬
も必要になってきます。
以上より、
大手信託銀行に遺言を作成してもらうと
結構な額になります。
3 司法書士等の専門家に
遺言書作成から遺言執行まで依頼する時の相場
財産総額にもよりますが、
私の相場観で大体、10万円前後です。
ただ、遺言執行報酬については、
我々の業界ではかなりのブラックボックスで、
結構高額に請求している専門家もいるので、
費用が高いと言ったトラブルが頻発しています。
4 遺言執行報酬を抑えるには
そこで、前記トラブルを避けるため、
遺言執行報酬を「家庭裁判所に決めてもらうスタンス」
を取る専門家も存在しています。
なぜなら、
家庭裁判所が遺言執行報酬を決める事により、
当該報酬額の透明性・妥当性・合理性が証明されるからです。
ちなみに、私は
もちろん遺言執行報酬については、
家庭裁判所に決めて頂いているので、
実際に私が経験した案件では、
大手信託銀行の最低報酬額の約半分でした(笑)。
3 教訓
信託銀行で相続・遺言の相談をしようと思われている方、
今まさに相談中だという方、
一度、HPで
遺言執行報酬は家裁の判断に委ねている専門家
にお願いしてください。