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黄金の株式とは 

皆様、新年明けましておめでとうございます。

日本では、NISA制度の始まりを受けて株式への関心が高まってきておりますが、株式に関するルールを定めている会社法では、企業が全部で9種類ある株式の内容を組み合わせるなどして株式を発行することで投資家の多様なニーズに応え、資金調達を行いやすくできるように定められております。 

今回は、その中でも日本製鉄がアメリカ鉄鋼大手USスチールを買収した際にアメリカ政府に交付したことでも注目された「黄金株」についてご紹介させて頂きたいと思います。

1.なぜ「黄金」なのか

黄金株と言うからには貴重な株式であることが推察されると思いますが、多額の配当金を受け取れるわけではありません。

黄金株は、別名「拒否権付種類株式」といいまして、経営上の重要事項の決定について拒否する権利を付した株式です。

最近では、日本政府が次世代半導体の量産に取り組むラピダスに1000億円の出資を行い、筆頭株主となる他、取締役選任など重要な経営事項に拒否権を行使できる黄金株を保有することが発表されました。

この株式を1株でも保有していると重要な経営判断に関わることができるため、通称黄金株と呼ばれております。

先程の日本製鉄の場合、買収して子会社にしたとはいえ、このUSスチールの黄金株をアメリカ政府に交付しているため、アメリカ政府の監督下に置かれております。

通常、株式会社において経営に大きな影響力を持つには支配的な数の株式を保有している必要がありますが、黄金株の場合、たった1株を保有するだけで大きな影響力をもつことができます。

2.黄金株の由来と活用方法

もともと黄金株は、1980年代に英国政府が公営企業を民営化する際、政府が重要な経営判断への拒否権を確保する手段として導入され、その後各国で国益保護や買収防衛に活用されるようになったものですが、日本では、この黄金株の特徴を活かして、非上場企業において、株式の大半を後継者に譲渡しつつも現オーナーが黄金株を保有することでしばらくの間は会社経営の重要事項に関わることができるようにする形で黄金株が事業承継に活用されることもあります。

ただし、黄金株は経営陣等が決定した一定の重要事項について拒否する権限があるだけですので、積極的に経営に関わるわけではない点や、相続や新規発行等により分散しないように対策を打っておく必要があるなどその取り扱いには細心の注意を要する株式でもあります。

黄金は株式であっても厳重に管理しましょうということですね。

いかがでしたでしょうか。

変化が速く国際競争が激化している現代社会において、企業は自社の経営戦略を練り、リスクを踏まえながら多様な株式を発行して資金調達を行い競争力強化に努めています。

また、国は、それを支援するため、あるいは国益を守るために様々な種類の株式を発行できるよう法整備を行っており、経済界からの多様な要求や社会情勢の変化に応じて法改正も頻繁になされております。

株式から企業の経営戦略、更には国策にまで思いを巡らせてみると新たな発見があって楽しいかもしれませんね。

以上、今回は黄金株についてご紹介させて頂きました。

皆様にとって本年が良い年でありますように。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。