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ホールディングスという選択肢

昨今、「〇〇ホールディングス」という企業名を見聞きする機会が増えております。

大きな企業である印象はありますが、その実態はあまり知られていないのでないでしょうか。

今回は、ホールディングスとはどのような企業なのか、そのような企業を設立する目的はどこにあるのか、といった点についてご説明させていただきます。

1.ホールディングスとは

ホールディングスは、持株会社とも呼ばれ(以下では、「持株会社」と呼び方を統一します。)、他の会社の株式を保有することによってその会社の事業を支配することを自らの事業とする会社のことを指します。

つまり、名前のとおり、支配的な株式を保有することがメイン事業である会社ということですね。

法律用語としては、会社法に定義はなく、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)において「子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の当該会社の総資産の額に対する割合が百分の五十を超える会社」と定義されており、この法律により、事業支配力が過度に集中することとならないよう規制がされております。

2.持株会社の種類

持株会社には、自ら本業である事業活動を営みつつ他社の事業活動の支配も行う「事業持株会社」と呼ばれる形態と、他社の事業活動を支配すること自体を本業とする「純粋持株会社」と呼ばれる形態の2種類があります。

日本の持株会社には、前者の事業持株会社が多く、事業持株会社の場合、親会社である持株会社の事業の一部(関連事業、新規事業など)を子会社が担っており、子会社は親会社に依存している関係にあるため、グループとしての一体性は強い一方、子会社の独立性は弱い特徴があります。

一方、後者の純粋持株会社の場合、親会社が定めたグループ全体の経営戦略の中で、子会社は利益や財務面において独立しているため、次に記載するとおり、持株会社としてのメリットをより享受できる一方、グループとしての求心力は弱くなる特徴があります。

3.持株会社のメリット

持株会社を設立するメリットとしましては、以下のようなものがあります。

(1)柔軟な組織変革

国際競争が激化している今日において、企業を買収することにより事業の多角化等を進めることで競争力の強化を図るケースが増えておりますが、そのような場合に、持株会社が企業を買収すれば、買収された企業は持株会社傘下の一企業になるだけであり、人員等の統合上の負担を最小限にとどめることが可能になり、合併や事業譲受による場合よりも円滑に組織の変革を進めることができます。

(2)経営効率の向上

持株会社(中でも、純粋持株会社)の場合、本社機能を持株会社に集約し、グループ全体の経営戦略の策定・発信、経営管理、リスク管理を持株会社が担うことにより、持株会社傘下の各事業会社は自社の事業の推進に専念することが可能となり、グループ全体の経営効率を高めることができます。

(3)経営責任の明確化と経営人材の育成

日本では、事業部制やカンパニー制など多様な組織形態により業績管理が行われておりますが、そこでの業績は、社内間での取引価格など社内で設けた各種の仮定に基づく数値であり客観性に欠ける問題点があります。

一方、持株会社体制の場合、各事業会社はそれぞれ独立した法人であり、そこでの業績は、取引事実に即した会計処理に基づく数値であり客観性を持つものとなります。

そして、各事業会社が独立採算制の下で経営責任を担うことにより、経営人材が育成されていきます。

4.持株会社のデメリット

持株会社ももちろん万能ではありません。

独立・自立を促す持株会社体制においては、グループであることの意識が薄れがちであり、グループとしての一体感をもった経営を維持することが難しい弱点があります。

いかがでしたでしょうか。

日本では、戦後しばらくは設立すること自体が禁止されていた持株会社ですが、現在では、企業間の買収・再編が加速しており、日本を含め世界中で採用されております。

しかし、あくまで経営上の一つの選択肢であって決して万能なものではないため、その採否は慎重に行う必要があります。

以上、今回は持株会社(ホールディングスカンパニー)についてご紹介させて頂きました。

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。