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相続・遺言
ちょっと!お母さん!そんな遺言を書かれても困ります!?その3
毎度です
不動産営業出身 大阪・吹田市の
FP(ファイナンシャルプランナー)兼
司法書士 廣森良平です。
本日も、
「ちょっと!お母さん!そんな遺言を書かれても困ります!?」
シリーズを展開して行きたいと思います。
つまり、簡単に言うと、
全く役に立たない遺言の事です。
それでは、行きます!
例えば、
二人兄弟で兄弟ともに結婚しておらず、
そして子どももおらず、
両親も既に亡くなっていると想定して下さい。
上記事例の場合、
兄が亡くなると弟が相続人となり、
弟が亡くなると兄が相続人になります。
さて、ここで、
兄が生前こんな遺言を書きました。
「私の財産の内、金5000万円をA財団に遺贈します」
と書いたとします。
しかし、月日が経って
B財団にも2000万円遺贈したいと思い、
次の様に加筆訂正しました。
↓下の写真の様に↓
ちなみに、
兄が亡くなってこの遺言書を弟が見たらどう思います?
「兄の遺産のほとんどが現金7000万円であったら・・・・。」
そして、もし、弟が葬儀等の各種費用も立替たり、
生前弟が多少の療養看護もしていた弟にしてみたら・・・。
ちょっと、弟さんが気の毒ですよね~。
ちなみに、
上記写真の加筆訂正なのですが、
皆さんはどう思いますか?
実は、
この加筆訂正の仕方はズバリ、、、、、、、、、、
無効です。
理由は、民法第968条2項に
加筆訂正の方式が定められております。
つまり、
加筆訂正の方式が法律上定められているので、
その方式に従わないと絶対にアカンのです。
よって、上記事例では、
加筆部分の2000万円は
弟さんが相続されることになります。
しかしながら、
明らかに誤記と分かるような訂正は
方式に従わなくても遺言の効力に影響はないと
最高裁の判例でも判示しております。
(最高裁昭和56年12月18日判決)
ちなみに、
加筆訂正の仕方はどうするかと言うと、
民法では、以下のとおりです。
「遺言者がその場所を指示し、
これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、
かつ、その変更の場所に印を押さなければ、
その効力を生じない」
とあります。
皆さん、どうですか?
全くよく分からないでしょ(笑)!
私達司法書士は登記申請書を書くにも、
不動産登記法・不動産登記規則の
膨大な条文がもとになっており
慣れっこなので、どうってことないですが、
具体例を挙げると次のとおりです。
↓その具体例の写真↓
上から2行目に加入しており、
「2000万円をB財団に」という字数が11字なので、
そして印鑑を押し、さらに、名前を署名します。
いかがですか?
字数や行数を間違ったり、
訂正印と同じ考えで
「印鑑さえ押しておいたらエエわ」という事で、
署名を忘れると無効になってしまいます。
法律の専門家である司法書士なら
方式に従って加筆訂正する事はなんてことはないです。
しかしながら、
一般の方には少し不慣れな作業になるので、
遺言書を加筆訂正する場合は、
出来るだけ加筆訂正せず、
初めから書き直しましょう!
以上
不動産法務・不動産実務・不動産登記に特化した
不動産業界出身司法書士兼
ファイナンシャルプランナー(FP)の廣森でした。