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【家族信託のデメリット】 損益通算ができない!

1.【家族信託のデメリット】 損益通算ができない!

 

 

 

 

本日は、

家族信託のデメリットである、

損益通算の問題点をお話します。

 

 

 

 

損益通算とは、

国税庁のHPから引用すると、

以下のとおりです。(「」部分が引用です。)

 

 

 

 

「損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。」

 

 

 

 

以上を簡単に言うと、

「得したお金から損したお金を差し引くこと」

です。

 

 

 

 

つまり、

100万円得したお金があるけど、

100万円損をしたので、

結局は「チャラ」

というような状態です。

 

 

 

 

さて、

税金とは、かなり大雑把にいうと、

得したお金に税率を掛けて計算します。

 

 

 

 

となると、

得をしたお金が0もしくはマイナスだと

結局は税金がかからないということになります。

 

 

 

 

以上より、

税金を計算する上で、

「損益通算ができると得だ!」ということは

誰にでもわかることだと思います。

 

 

 

 

しかし、

家族信託をすると

「損益通算が出来ない」

というデメリットがあるのです。

 

 

 

 

このデメリットについては、

租税特別措置法第41条の4の2 

「特定組合員等の不動産所得に係る損益通算の特例」

という条文に定められています。

 

 

 

 

その条文を簡単にいうと、

信託不動産から損失が発生したときは、

 その損失はなかったものとみなす

という規定になっております。

 

 

 

 

つまり

マイナス100万円あっても、

「プラスマイナス0円」

になるということです。

 

 

 

 

以下、詳しく具体例をあげて、

お話していきます。

 

 

 

 

2.信託不動産からの収入がプラス、信託以外の不動産の収入がプラス

 

 

 

 

例えば、

信託不動産の収入がプラス100万円、

信託以外の不動産の収入がプラス100万円

だとします。

 

 

 

 

この場合は、

100万円+100万円

=200万円に税金がかかります。

 

 

 

 

税金がかかるとはいえ、

事業でプラスになっているのですから、

非常に望ましいといえそうです。

 

 

 

 

3.信託不動産からの収入がプラス、信託以外の不動産の収入がマイナス

 

 

 

 

例えば、

信託不動産の収入がプラス100万円、

信託以外の不動産の輸入がマイナス100万円

だとします。

 

 

 

 

この場合は、

100万円-100万円

=0万円となり、

税金がかからないということになります。

 

 

 

 

信託以外の不動産事業がマイナスなので、

あまり望ましいとはいえませんが、

損益通算をすることにより、

税金がかからないので

少しは救われる感じです。

 

 

 

 

4.信託不動産からの収入がマイナス、信託以外の不動産の収入がプラス

 

 

 

 

例えば、

信託不動産の収入がマイナス100万円

信託以外の不動産の輸入がプラス100万円

だとします。

 

 

 

ここで、

先ほどの租税特別措置法を思い出して下さい。

 

 

 

 

「信託不動産から損失が発生したときは、

 その損失はなかったものとみなす

とあったはずです。

 

 

 

 

そこで、

今回は信託不動産からマイナス、

つまり、損失が発生しています。

 

 

 

となると、

「その損失はなかったものとみなされます。」

 

 

 

 

つまり、

「損失はプラスマイナス0円」

ということです。

 

 

 

 

なので、

±0円+100万円ということになり、

この金額を基準に税金がかかってしまいます。

 

 

 

 

信託不動産の収入はマイナスなので、

これは、あまり望ましいとはいえません。

 

 

 

 

ここで、

損益通算が出来れば救われるのですが、

その損益通算が出来ないということになり、

税務上のデメリットが浮き彫りになります。

 

 

 

 

5.A信託不動産からの収入がマイナス、B信託不動産の収入がプラス

 

 

 

 

これは、

二つの家族信託があると思ってください。

 

 

 

 

具体的にいうと、

受託者が長男で、

A不動産を父親のために信託されており、

信託が終了すると(父親死亡)

長男がA不動産を引き継ぐという

A不動産家族信託契約がひとつ。

 

 

 

 

そして、

受託者が次男で、

B不動産を父親のために信託されており、

信託が終了すると(父親死亡)

次男がB不動産を引き継ぐという

B不動産家族信託契約がもうひとつ。

 

 

 

 

以上のとおり、

「2本の家族信託」

があるような場合です。

 

 

 

 

そして、

A信託不動産の収入がマイナス100万円、

B信託不動産の収入がプラス100万円

だとします。

 

 

 

 

このような場合はどうなるのか?

 

 

 

 

結論、

「損益通算が出来ない」

ということになります。

 

 

 

 

6.どんな時に、問題になるのか?

 

 

 

 

さて、

信託不動産の収入がマイナスになる場合の

もっともポピュラーな原因は何でしょう?

 

 

 

 

それは、

不動産が老朽化したため、大規模修繕をして

大々的にお金をかけた時です。

 

 

 

 

なので、

ある不動産を家族信託の信託財産に組み込む直前

大規模修繕をしていると

家族信託を契約するタイミングを

少し遅らせることも検討に入れないといけません。

 

 

 

 

また、

信託を複数にすると先ほど述べた通り、

損益通算が出来ないということになりますから、

一つの信託にするということも

検討しなければいけません。

 

 

 

 

ここで、損益通算を踏まえて、

家族信託の契約のタイミングを提案できるのは、

「家族信託に詳しい税理士だけ」

です。

 

 

 

 

 

7.家族信託に詳しい税理士はこれから勝ち組

 

 

 

 

いかがですか?

 

 

 

 

これから家族信託は認知症対策として

本当に伸びていく分野であることは

間違いありません。

 

 

 

 

となると、

家族信託を依頼するには、

家族信託に詳しい税理士と

タッグを組んでいる弁護士や司法書士に

家族信託を相談することが

必須条件になると思います。

 

 

 

 

8.追伸

 

 

 

 

もし、

家族信託を税理士以外に専門家に相談された際、

一度、「家族信託の損益通算」について

質問してみてください。

 

 

 

 

そこで、

このブログに書かれているレベルのことを

具体的に回答できない弁護士や司法書士に

家族信託を依頼するのは、

やめておいたほうがいいと思います。

 

 

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。