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なるほど法律コラム
スシロー「迷惑行為」について
皆さんこんにちは
本日は、最近ニュースを賑わせた
スシロー「迷惑行為」について
お話していきたいと思います。
さて、当該迷惑行為とは
「指に唾をつけてレーン上のお寿司に触る」
等という所業です。
そこで、
犯人の親がスシローに謝りに行ったとのことですが、
スシロー側は「法廷で会いましょう」と
事務的な回答をしております。
恐らく、スシロー経営者サイドは、
当該「迷惑行為」によって生じた莫大な損害(数千万は下らない)を
犯人とその親に請求する訴訟を起こすのでしょう。
そして、
当該「迷惑行為」が原因で損害が発生したのは間違いないから、
犯人とその親にはスシローに損害を賠償する責任があるのは、
間違いなさそうです。
(親に監督責任があるかどうかは別にして)
1 犯人とその親が自己破産したら
損害賠償の責任は免責されるのか?
そこで、犯人とその親は、
自己破産をして免責を得るという方法が考えられます。
しかし、破産法には
「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は
免責されないとしています。
つまり、今回の「迷惑行為」は
明らかに「悪意で加えた不法行為」なので、
免責されない可能性が高いのです。
なので、犯人とその親は
一生涯、損害を払い続けないといけないことになり、
一生を棒に振ることになってしまいます。
さて、今までお話したことは、
ネット等で頻繁に法律的な問題について
喧伝されていることです。
そこで、私は
違った角度で法律的な問題を掘り下げていきたいと思います。
2 私の素朴な考え・意見
「そもそもスシローの流れるお寿司には
くら寿司のような『透明のふた』がないので、
少なからず人間の飛沫がついているから、
流れてくる寿司ではなく、
注文した寿司しか私は食べたくないんだけどな・・・。」
と考える人も多いのではないでしょうか?
3 当該「迷惑行為」は想定の範囲内か?
一般人なら
「流れているお寿司に誰かがイタズラをするかも知れない」
と容易に考えることが出来ます。
とすれば、
当該イタズラをさせないために何か策を講じるのが、
回転寿司会社の経営者の仕事です。
その具体例として、
私はくら寿司の「透明のふた」等だと思うのです。
4 スシロー経営者の怠慢が原因で
今回の事件は起こるべくして起こった?!
くら寿司の経営者は
迷惑行為を防止するために、「透明のふた」を開発しましたが、
スシローは今まで、何ら策を講じていないので、
スシローの経営者は怠慢であるとも考えることが出来、
そして、今回の迷惑行為は
当該怠慢によって起こるべくして起こった事件
であるとも見て取れます。
となると、スシロー経営者は
スシローから、もしくは、スシロー株主から
怠慢が原因で発生した損害を賠償しろ
と訴訟もしくは株主代表訴訟を起こされる可能性があるし、
それに敗訴すれば、
スシロー経営者はスシローに損害賠償をしなければいけない
ことになります。
5 その時スシロー経営者の思惑は?!
では、スシロー経営者サイドとしてはどうするのか?
それは、
犯人とその親からなんとか損害賠償のお金を回収して、
会社に損害が生じなかったとすれば、
前記4の訴訟を起こされないことになります。
なので、今、
スシロー経営者は
かなり複雑な心境でいるのではないでしょうか?
とはいえ、今回の件で、
逆に「スシローを救いたい」という同情心が集まり、
それに伴って売上も上がっている点を考慮すると
スシロー経営者は
陰でホッと胸をなでおろしているかもしれないですね。