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「スシロー6700万円提訴」から見る私の所感 その2

さて、本日は前回の続きのお話をしていきたいと思います。🙂

1 少年側についた弁護士の意見がネット記事で大炎上?!

先月、スシローが醤油差しを舐めた少年(以下、「少年」という。)に

6700万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に提訴しました。

色々なネットの記事を見ていると、少年側の弁護士が

「スシローの売り上げが下がったのは、他社の営業努力によるもので、

少年の悪ふざけが原因でスシローの売り上げが落ちたのではない」

というコメントを述べていました。

普通の法律家であったら、普通に流すところです。

というよりも、

「法律の専門家であれば、普通はこの様に主張するだろうな」と思う人がほとんどです。

しかし、ネット記事に掲載される不特定多数のコメントを見ると、

「この期に及んでまだ責任逃れの主張をしている」

「もっと、自分の非を認めて反省の弁を述べることが出来ないのか」

という内容の意見で大炎上していました。🔥🔥🔥

私は、この大炎上を見て

「やはり日本の裁判について、一般の方は何も分からないんだろうな~」と思いましたし、

私以外の法律の専門家も私ときっと同じことを思っているはずです。😥

2 非を認めると裁判は負けてしまう

今回の件においては、

スシロー(原告)は、少年(被告)に対して

あなたの悪ふざけが原因で当社の売り上げが下がったから、

その下がった分の売り上げ金6700万円を弁償してください」

という主張がされています。

仮に、ここで少年側が

私の悪ふざけのせいでスシローさんの売り上げが落ちてしまい

私自身、凄く責任を感じています。すみませんでした」

という反省の弁を主張したとします。

そうすると、上記下線部分にある通り、

悪ふざけが原因で損害が発生したという因果関係(以下、「因果関係」という。)を少年側が認めてしまい、

それ以上、裁判所は深く掘り下げることはせず、裁判はすぐに終了し、

スシロー勝訴、少年敗訴の判決を裁判所は下すことになります。

3 日本の裁判(民事訴訟法)のしくみ

民事訴訟法は、法律の専門家でも理解するのにとても苦労するので、😓

専門用語を使って説明することを割愛しますが、簡単に言うと以下のとおりです。

相手側の主張を認めると裁判は負ける

前記2の下線部分は、スシロー裁判においての争いの中核です。

本来ここで、因果関係をスシローは主張し、

さらに、この因果関係をスシローが色々な証拠を出して、

証明しなければいけません。

そして、裁判所は

その証拠に基づき因果関係があるかどうかを時間と労力をかけて探って行き、

最終的な判断します。

しかし、ここで少年側が因果関係を認めてしまうと

裁判所はスシローの提出した証拠を一切チェックすることなく、

「少年側(被告)が因果関係を認めているのであれば、

真実がどうであれ(ここがポイント🤓❗)、因果関係があることにしておこう」

ということになるのです。

なので、因果関係があり(原告被告間に争いのない事実)となって、

スシローの主張が認められ、

スシロー勝訴、少年敗訴と決着することになります。

訴状が届いたら

つまり、裁判というものは、

主張する側がそれを裏付ける事実を述べていくわけですが、

訴えられた側は、事実と違うことを逆に主張していかないといけません。

しかし、それをしないと裁判所は

「主張する事実を訴えられた側は認めているのだな」と機械的に判断し、

迅速に裁判を処理していくわけです(理由 裁判官は超忙しい💦人種だから)。

なので、訴状が届いたら、

相手の主張を真っ向から反論していくことが、非常に大事なのです。☝🏻🌟

4 教訓

訴訟はボクシングの試合とよく似ています。

つまり、相手が裁判で右ストレートで攻撃してきたら、👊🏻💢

こちらはカウンターで左ストレートで攻撃しないといけないわけです。👊🏻💢

もし、あなたが訴訟を起こされたら、

すぐに弁護士や司法書士(簡易裁判所の範囲である争いが140万円以下に限る)にご相談下さい。☝🏻🌟

でないと、

素人判断で相手方の主張に対する意見を提出すると

後々、裁判が物凄く不利になる可能性があります。💧

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。