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知らなかったでは済まされない相続手続! その1

皆様、こんにちは。

今回は相続対策で大失敗した有名人のお話をします。

1 それは、昔の国民的大スター「力道山」

力道山は、

昭和20年代後半から昭和30年代にかけて、大活躍したプロレスラーであり、💪🏻

国民に熱狂的に愛されていました。

ところが、かなり粗暴な性格だったこともあり、

昭和38年12月、夜の飲み屋で暴力団組員と口論になり、💢

馬乗りになって殴打していたところを、

ナイフで腹部を刺されて死亡しました(享年39歳)。

国民的大スターだから、有り余るほどの財産を持っていて、

相続人も相続税を払ったとしても、お金に困るなんてことは無い

と普通は思うかも知れません。

確かに、当時の貨幣価値で何十億という財産はあったようですが、💴

力道山は実業にも手を出しており、相当額の借金もあったようです。

2 当時の力道山の相続人には3つの相続手続の選択肢があった

力道山の財産で

マイナスの財産、つまり、借金が大幅に上回っておれば「相続放棄」

という相続手続を踏みます。

ちなみに、

どのような時に利用するかと言うと

「亡くなった人のプラスの財産、マイナスの財産が正確に分からないとき」です。

プラスの財産が多いと思って「単純承認」したとしても

予期しない莫大な借金が出てくるかも知れません。😰💦

また、財産の評価が不明確なため、

プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いのか判断が難しい場合もあります。💦

以上の理由で、

「限定承認」という手法が民法上、認められているのです。

3 力道山の相続人が失敗したこと

普通に考えれば、

「相続放棄」か「限定承認」のどちらかという事になりますが、

この「しちゃった!?」とは、一体どういう事かと言うと、

以下のエピソードがあります。

力道山の葬式の時に、

力道山の借金取りが暴力団さながらの剣幕で取り立てに来たそうです

(昔の貸金業規制法はユルユルで、現在では考えられない苛酷な取り立てでした)。

それに恐れをなした相続人が

「借金はすぐに返しますから!」と言って、「力道山の借金を認め」、

その後、その借金取りに対して「力道山の借金全額を返済してしまった」そうです。

実は、

この力道山の相続人が「借金を認め、返済してしまった」

という事が問題なのです❗

こういう事を民法上、

「法定単純承認」(民法第921条第1項第1号)と言います。

簡単に言うと、

「ある行為をしてしまうと、自動的に単純承認したものとみなす」

という規定が民法には存在するのです。

なので、

力道山の家族は安易に「借金を認め、返済してしまった」ことにより、

その行為は、民法上の「法定単純承認」にあたり、

力道山のプラスの財産もマイナスの財産も

無限に引き継がなければいけなくなったのです。

次回は、

「では力道山の相続人はどうすれば良かったのか?」

というポイントをお話していきたいと思います。

お楽しみに❗

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。