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相続・遺言
おひとり様の遺言エトセトラ その1
本日は、おひとり様の遺言について、お話をしていきます。🙂❗
1 「日常的なおひとり様」と「法律的なおひとり様」
昨今、「おひとり様」という言葉をよく耳にしますが、
私は二つの意味があるととらえております。
一般的に、子どもがおらず、未婚ないし配偶者との離婚、死別を通じて
世帯一人で生活を送っている人を「おひとり様」とします。
そして、「おひとり様」のうち、
相続人がいる人を「日常的なおひとり様」、
相続人が一切いない人を「法律的なおひとり様」
と私はとらえています。
2 「日常的なおひとり様」が遺言書を書かないとどうなるのか?
(1)「笑う相続人」の発生
子どもや配偶者がおらず、両親が死亡していたとすると、
「日常的なおひとり様」の相続人は、同人の兄弟姉妹が相続人となり、
仮に当該兄弟姉妹が死亡していたとすると、
当該兄弟姉妹の子ども(つまり、甥姪のこと)が相続人となります。
なので、兄弟姉妹やその子どもと何十年に渡って疎遠であったとしても、
その人らが相続することになるのです。
我々法律家は、このような人達のことを「笑う相続人」といいます。
なぜなら、降って湧いたような感じで時として、
高額な遺産相続にあやかることが出来るからです。💰✨
筆者もこのような相続手続に携わったことがありますが、
決まって相続人全員はキョトンとするか、ビックリしている感じです。😯⁉️
なので、元々無いと思っていたお金が入るので、
全くと言っていいほど、笑う相続人同士が取り分で揉めることはありませんでしたし、
さらに、手続も迅速かつ丁寧にご協力下さいます。😊✨
(皆さんも想像に難くないと思います)
(2)本当にお世話になった人や内縁関係の人に財産を譲れない
本当にお世話になった人や内縁関係の人、
ひいてはボランティア財団や宗教法人等に財産を譲りたいと思っていたしても、
遺言を書かないまま亡くなってしまうと、
「笑う相続人」に大事な財産を持っていかれるのです。💧
3 「法律的なおひとり様」が遺言書を書かないとどうなるのか?
特別縁故者へ財産を譲ることが出来る可能性
「特別縁故者」とは、
①被相続人と生計を同じくしていた者
②被相続人の療養看護に努めた者
③特別の縁故があった者
のことを言います(民法第958条の2第1項)。
とはいえ、特別縁故者へ財産を譲るにしても、
自分自身を特別縁故者と主張する者が、
家庭裁判所にお伺いを立て、最終的に家庭裁判所の判断を仰いだうえで、
財産の行く末を決するということになります。⚖️
前記①②③も非常に抽象的に書かれていますし、
最終的には家庭裁判所の判断なので、
未確定な要素が強い手続ということになります。😥
最終的には国のものになる
そこで、特別縁故者の制度が認められず、
もしくは特別縁故者その者がいない場合はどうなるのか?
それは、最終的に国のものになります。🗾
(民法第959条 「国庫に帰属する」と言います)
4 「日常的なおひとり様」「法律的なおひとり様」問わず、遺言は必須
以上より、「日常的なおひとり様」「法律的なおひとり様」において、
どうしてもお世話になった人に財産を譲りたいのであれば、
必ず遺言を書かないといけません。‼️
前述の
①被相続人と生計を同じくしていた者
②被相続人の療養看護に努めた者
③特別の縁故があった者
だけに限られず、
ボランティア財団、宗教法人等に財産を譲りたいのであれば、
「日常的なおひとり様」「法律的なおひとり様」にとって、
遺言書作成は喫緊に着手すべき事項です。‼️
次回は、この道22年のベテラン司法書士である廣森が、
「おひとり様」の遺言書作成の勘所のお話をします。🙂❗