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あなたの家族信託の契約書は大丈夫?~委託者の地位の相続について~

先日、

昨年4月頃に大阪司法書士会から配布を受けた

「相続関係業務資料集」~遺言から遺産分割調停まで~

という業務資料に目を通しました。

 

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なぜ、

業務資料に目を通したかと言うと、

相続手続をするうえで便利な

「法定相続情報証明制度」に関しての相談を受けていたので、

少し調べものをする必要があったのです。

 

 

 

そこで、パラパラとみていると

「家族信託(民事信託)」に関する参考契約書が

掲載されていたので

さらっと見ていると、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この契約条項絶対アカンやん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤバいで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ参考にして家族信託(民事信託)をした司法書士

 このままやったら責任取らされるで

 

というポイントを発見しました

 

 

 

 

それは34ページにある

「第8条 委託者の地位に相続」

という条項です。

 

 

 

 

どのような条項かというと

「委託者が死亡したときは、委託者の地位等は相続人に承継せず消滅する」

という文言です。

 

 

 

 

なぜ、アカンのか?

 

 

 

 

結論から言うと、

将来的に家族信託(民事信託)が終了するときに

必要な登記手続における登録免許税が、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「5倍も

 

もかかってしまうのです

 

 

 

 

さらに、

本来かからない不動産取得税が、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かかってしまうのです

 

 

 

 

例えば、

評価額1憶円の土地で計算すると

以下のとおりとなります。

 

 

 

きちんとした条項の場合(以下「きちんとした条項」と言います)

・登録免許税=1憶円×1000分の4=40万円

・不動産取得税=0円

以上合計金40万円。

 

 

 

※大阪司法書士会の業務資料の条項の場合(以下「古い条項」と言います)

・登録免許税=1憶円×1000分の20=200万円

・不動産取得税=1憶円×2分の1×100分の3=150万円

以上合計金350万円です。

 

 

 

いかがですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その差はなんと

 

金310万円です

 

 

 

いかがですか?

 

 

 

 

「きちんとした条項」でないと

本当に莫大な損を被ってしまうことになります

 

 

 

 

2 どのような条項だとベストなのか?

 

 

 

では、どのような条項にすべきなのか?

 

 

 

それは、

以下が「きちんとした条項」の文言となります。

 

 

 

第〇〇条 委託者の地位

「委託者の地位は相続により承継せず、委託者の死亡によりその地位は受益者へ移転し、当初委託者の権利は消滅する。」

 

 

 

 

以上のように規定しないといけません。

 

 

 

 

ここで、

なぜ上記のようにしなければいけないかという理由は

割愛させていただくとして

「なぜ、このようなことが起こったのか

ということをお話していきます。

 

 

 

 

3 なぜ、このようなことになったのか?

 

 

 

 

家族信託(民事信託)は最近になってやっと出てきた制度なので、

実務(特に税務)がまだ固まっていない面があります。

 

 

 

 

実は、

家族信託(民事信託)が普及し始めたころ、

「古い条項」にすることが一般的であり、

もしくは、これでも正解だったのです。

 

 

 

 

しかし、この「古い条項」では

「登録免許税は1000分の4ではなく1000分の20」

「不動産取得税もかかる」

という国税庁のお達しが、

平成29年6月にありました

 

 

 

 

 

実は、

このお達しも仮に私が全国に家族信託専門士の仲間、

家族信託普及協会や民事信託推進センターに所属していなかったら

この大事な情報も取得出来なかったかも知れません。

 

 

 

 

 

なので、

多くの家族信託専門士との交流や

家族信託(民事信託)の団体に所属することが

いかに大事であるかがわかってもらえると思います。

 

 

 

 

 

4 私の場合

 

 

 

 

実は、

私も「古い条項」で家族信託契約を締結していました。

 

 

 

 

私は、

平成28年4月に初めて家族信託を組成したので、

平成29年6月の国税庁のお達しが出るまで

家族信託の組成実績は幸い10数件くらいで、

まだまだ少ない方でした。

 

 

 

 

そこで、私はどうしたのか?

 

 

 

 

すぐに、

依頼者の方全員に連絡し

「信託条項の変更契約」から

「信託目録の変更登記」

を実施しました。

 

 

 

 

その時は確か、1週間位で

依頼者の方全員の手続に必要な面談と必要書類を集めて

速やかに登記申請を出しました

 

 

 

 

 

5 家族信託(民事信託)契約をされた方

 

 

 

 

信託契約書中の

「委託者が死亡した時の条項」

を今一度ご確認下さい

 

 

 

 

もし、

「きちんとした条項」になっていないと

大変な損をしてしまいます

 

 

 

 

6 大阪司法書士会に所属している方

 

 

 

 

大阪司法書士会から配布を受けた

「相続関係業務資料集」~遺言から遺産分割調停まで~

という業務資料を参考に家族信託(民事信託)を締結した

大阪司法書士会所属の方は、

今一度、自分がかかわった家族信託の契約書を

確認してください。

 

 

 

 

古い条項のままだと将来的に

責任を取らされる可能性があります

 

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。