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不動産取引
司法書士と不動産営業マン
不動産営業出身 大阪・吹田市の
FP(ファイナンシャルプランナー)兼
司法書士 廣森良平です。
本日は、司法書士と不動産営業マンのお話し。
司法書士の仕事に、不動産登記手続きがあります。
不動産登記手続きは、非常に煩雑で
間違いの許されない手続です。
法務局に書類を出して、取るに足らないミスなら、
補正という手続を踏めば、何事もありません。
しかし、「取下」となると、
利害関係人に損害が及ぶ可能性があります。
司法書士は、取引(不動産の引渡し、売買代金の授受)までに、
あれやこれやと調査・確認をして、取引当日に不測の事態が起きない様、
万全を期して取引にのぞみます。
よって、取引当日は、
売主・買主様から必要書類を受け取り、
必要書類に署名捺印してもらうだけです。
私は師匠から、
「司法書士は何事も無かったように、
手際よく必要書類の授受、書面に署名押印を貰えるようになりなさい」
と言われました。
なるほど、司法書士の立場から見れば、
「この先生、手際良いな。素晴らしい。」と思います。
しかし、不動産営業経験の浅い不動産営業マンからすると、
あまりに何もしてないように見えて、
「署名捺印するだけで数万の報酬がもらえるのか!」
「司法書士ボロ儲けやな!」と思います。
私も不動産営業の仕事をしていたので、
その気持ちは本当によくわかります。
なぜなら、それは、不動産営業マンの過酷さと激務の一言に尽きます。
そこで、不動産の営業マンの仕事内容を上げると次の様になります。
集客・・・広告作成・DM作成・チラシ撒き・電話営業・オープンハウス待機等。
接客・・・売主・買主との交渉及び利害調整、購入希望者の物件案内。
調査・・・現地調査、市役所・法務局等の役所調査、近隣の調査等。
事務・・・不動産契約書及び重要事項説明書作成、取引時に必要な書類作成等。
手続・・・契約時の契約書及び重要事項説明書読み上げ
住宅ローンの手続、取引の段取り。
その他の雑務やアフターフォロー等もいれると、
不動産営業マンの仕事の量は本当に膨大です。
さらに、宅建主任者取得、不動産コンサル等の勉強や、
毎月のノルマにも追われます。←(私も朝、吐いた事もあり!)
なので、身を粉にして働いて、やっと手数料が頂ける不動産営業マンからすると、
取引の時の司法書士が、「本当に楽」と思えてなりません。
しかし、安心・真正・円滑な取引のために、司法書士も取引当日までに、
神経をすり減らしながら、取引に関する調査及び確認をし、
もし、司法書士に過失があり、取引に間違いがあれば、
司法書士は責任を負わなければいけません。
中には、割に合わないから登記はしないという司法書士もいます。
ところで、私は司法書士及び不動産営業の二つの仕事を経験しました。
今思えば、不動産営業の仕事は過酷・激務極まりないですが、
お客様から喜びの声を聞くと、本当に今までの苦労が吹っ飛びます。