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【認知症で遺言・家族信託できるか?!】 私の判断について

親が自分の相続発生後、

子どもたちが揉めたり、

喧嘩したりしないように

生前の元気なうちに

遺言や家族信託(民事信託)をしておくことは

よく聞く話です。

 

 

 

ここで、ポイントなのは

「生前の元気なうちに

というのがポイントです。

 

 

 

「元気」とはどういう状態か

 

 

 

介護度がどの段階であれ、

体が不自由で寝たきりであれ、

「意思がはっきりしている」

ということが必要となります。

 

 

 

専門的な言葉というと、

「意思能力(判断能力)がある」

と言います。

 

 

 

1.意思能力(判断能力)が無いとどうなるのか!?

 

 

 

意思能力(判断能力)が無いと、

遺言や家族信託(民事信託)が

無効となります。

 

 

 

なので、

意思能力(判断能力)が無いと

遺言や家族信託(民事信託)をすることは

出来ません。

 

 

 

もちろん、

相続における遺産分割協議、

自宅不動産を売ったり買ったりすることも

当然できないことになります。

 

 

 

2.医者から認知症と診断されていると意思能力(判断能力)がないのか?

 

 

 

私の長年の経験、

公証人の先生の意見、

その他色々な面を考慮すると

「100%意思能力がない」

と言い切ることはできません。

 

 

 

なぜなら、

認知症と言っても

その症状の幅はものすごく広く、

その症状の幅が広いゆえに

その程度は人によって様々だからです。

 

 

 

つまり、

「ひどい認知症から軽い認知症まである」

ということです。

 

 

 

具体的にいうと、

「意思の疎通が困難(ひどい認知症)」から

「物忘れが始まりつつある(軽い認知症)」

という感じです。

 

 

 

つまり、

物忘れの程度によっては

まだ意思能力があるといえるからです。

 

 

 

また、

要介護4だからと言って

「家族信託(民事信託)や遺言が出来ない」

と私はすぐには判断しません。

 

 

 

つまり、

要介護とは、身体的な状態の基準なので、

意思能力とはあまり関係ないからです。

 

 

 

以上より、

認知症であっても

遺言や家族信託(民事信託)が出来ないと判断するのは

早合点と思って頂いて結構です。

 

 

 

3.認知症の気がある場合の私のスタンス

 

 

 

私は、以下の点を確認します。

名前、生年月日、お住まいの住所

自分がもっている財産

誰に任せたいか?

どのようにしたいか?

財産は誰に引き継いでほしいか?

以上を時間をかけて、丁寧にお聞きします。

 

 

 

時間をかけるとは、

2~3回くらい面談をして

「私自身をまずは覚えてもらう努力」

をします。

 

 

 

そのため、会うときは

いつも同じ色のスーツと同じ色のネクタイをしめ、

私はコンタクトレンズですが、

銀縁のめがねをかけるようにしています。

 

 

 

つまり、

「いつも黒のスーツと赤のネクタイで銀ぶちの眼鏡をかけている人」

という風に印象に残るように

覚えてもらえる工夫をします。

 

 

 

また、会う時間帯にも気を配ります。

 

 

 

例えば、

「昼ごはんを食べた後は、眠くなるので調子が悪い」とか

「朝ごはんを食べて散歩に行った後が調子がいい」等と言った

快適な面談をする環境づくりのための

ヒアリングにも努めます。

 

 

 

4.医学的な判断よりも「なぜするのか?」という点が大事

 

 

 

確かに、

医師の診断書や

長谷川式等といった

認知症のテストの結果は大事です。

 

 

 

私もそれを参考にします。

 

 

 

しかし

参考はしますが、

それが全てではありません。

 

 

 

前述のに加えて、

「遺言・家族信託(民事信託)をなぜするのか?」

という点も非常に大事であると思っています。

 

 

 

つまり、

「遺言・家族信託(民事信託)をする合理性」

です。

 

 

 

簡単に言うと、

「そのような理由だったら

遺言・家族信託(民事信託)をした方がいいよね~」

というような感じです。

 

 

 

その理由を具体的にいうと、

以下のとおりです。

 

 

 

「父親と長男と次男の3名の人物がいる」

と仮定してください。

 

 

 

そこで、父親が

「長男にもの凄く世話になっているので、

長男にはこの自宅不動産を管理して引き継いでほしい」

そして、

「次男には自宅不動産ほどの価値はないが、

のこりの現金を引き継いでほしい」

というようなことを

認知症なりになんとか絞りだしたとします。

 

 

 

そして、

次男にも家族信託のことを十分に

ご理解ご納得いただけるとします。

 

 

 

ここで、皆さんに考えて頂きたいことがります。

 

 

 

それは、、、、、、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上の状態で将来的に

「何か揉め事って起きる?!」

と思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わないですよね

 

 

 

一方、

次男は全く親の面倒を見ていないのに、

自宅不動産を次男が管理して最終的には

次男が全ての財産を引き継ぐ事となるとどうでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで

ってなりますよね

 

 

 

つまり、

合理性が無いということです。

 

 

 

合理性が無いゆえに

そのような家族信託(民事信託)を

絶対にするべきではないのです。

 

 

 

5.スピード感 

 

 

 

ご自身の親が軽い認知症になり始めると

ある時を境目に一気に認知症の度合いが

ひどくなるケースがあります。

 

 

 

例えば、

施設に入り始めたり、

なにかの拍子でケガをして歩けなくなったりすると

一気に認知症の度合いがひどくなります。

 

 

 

また、

80歳から物忘れが始まるのと

85歳から物忘れが始まるのとでは、

加齢による認知症の度合いが進むスピードも

後者の方が明らかに早いといえます。

(私の経験上)

 

 

 

なので、

遺言・家族信託(民事信託)をするのであれば、

急いで専門家と面談を実施すべきなのは

火を見るより明らかです

 

 

 

6.総括

 

 

 

認知症と診断されたからと言って、

遺言・家族信託(民事信託)が出来ないと思うのは

早合点です。

 

 

 

一度、速やかに

家族信託の専門家である弁護士や司法書士に

ご相談することをおススメいたします。

 

これは知っておいて欲しい記事です。是非お読みください。