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不動産取引
人気ドラマ『地面師たち』にプロがツッコむ?! その1
本日は、
最近ネットフリックスで人気のドラマ「地面師たち」について、
プロの司法書士がツッコミを入れてみます。🙂🚨
(ネタばれにならない程度に)🙊
1 地面師と地面師の手口
地面師とは、土地の詐欺師のことを言います。
ほとんどの手口が、
土地の所有者になりすまし
土地の所有者しか持ちえない「権利証を紛失した」と言って、
買主と不動産取引に立ち会う司法書士を騙すといった類です。
そこで、不動産取引に基づく不動産登記申請は権利証が必要なので、
当該登記手続を担当する司法書士が
「本人確認情報」という権利証の代わりとなるものを作成します。📝
なので、司法書士は売主と名乗る人が真の所有者かどうかを判断し、
地面師に騙されないように、職業人生を賭けて「本人確認情報」を作成します。
2 ドラマの最初の不動産取引における詐欺シーン
当該シーンにおいて、
- 売主になりすましの人
- 買主
- 売主担当の不動産コンサルタント2名
- 売主側に付いている弁護士
- 司法書士
が登場します。
場所は、売主に付いている弁護士事務所です。
この時、権利証を紛失したということで
「弁護士が権利証の代わりになる本人確認情報を作成」
したという事がドラマの前提となっていました。
そこで、司法書士が売主になりすましの人に
所有者にしかわからないような色々な質問をして
売主が真の所有者であることを必死に確認するというシーンです。
以下、そのシーンについてツッコミを入れていきます。
(1)本人確認情報を登記申請を担当する司法書士が作成していない!
このシーンにおいて、
登記申請を担当しない弁護士が本人確認情報を作成した言ってますが、
法律上、本人確認情報は登記申請を担当する司法書士が作成します。
なので、このシーンは法律上無理があり、
このシーンを見た司法書士は一斉にツッコミを入れたでしょう。🚨💨
(2)怪しい不動産コンサルタントが本人確認作業を省略しようと急かす!
やはり、地面師は成りすましを見抜かれたくないために、
詳細な本人確認作業はされたくないはずです。
そこで、口八丁手八丁で
取引の場を「急いで終了させないといけない」という雰囲気にさせます。💦💦
しかし、権利証紛失の場合でこういう輩に対しては、毅然と対応する必要があります。❗❗
このシーンの司法書士は登録5~6年の司法書士で相当オドオドしておりました。😰
(3)本人確認のための質問事項が少し不足している
このシーンで司法書士が、売買対象不動産の建物の写真を複数見せて
「あなたのお家はどれですか?」🏠
「いつも買い物に行くお店はどこですか?」🛒
という質問をしていました。
これはこれで十分なのですが、
決済前に住民票と免許証のコピーを確認しているのであれば、
まだ本人にしか分からないような質問をすることができます。❗❗
(ⅰ)最初に免許証を取得した場所
免許証の最初の1~2桁目は最初に免許証の交付を受けた公安委員会の場所を意味します。🚗
なので、それが答えらない時は要注意であると言えます。⚠️⚠️
ちなみに、ネットで検索すれば、免許証番号には色々な意味があるので勉強になります。
(ⅱ)以前住んでいた住所を聞いていない
住民票には前住所が記載されており、
現住所に引っ越しした正確な時期まで記載されています。📄
引っ越しした正確な日時や前に住んでいた正確な住所は忘れていても、
前住所が〇〇県〇〇市ぐらいは誰しも覚えているはずです。
なので、それが答えらない時は要注意であると言えます。⚠️⚠️
次回に続く・・・。